ビルの計装のお仕事⑪
計装屋です
ビルの計装工事のあるあるを書きます
よくある設計不整合や施工に関係する内容
衛生設備
- 消火水槽の水位監視
・中央監視で消火水槽上下限ポイントあり、スプリンクラーポンプユニット
に防災盤用の他に計装用を回路追加してもらう
- 自動給水ポンプユニット
・水槽の給水制御が自動制御盤とポンプユニットで水位警報と補給水制御で
同じ回路がある→ポンプユニット回路を使用(計装図修正が必要)
- 受水槽
・水位制御が衛生工事と自動制御工事でかぶっていることがある
制御内容によるが衛生工事の機器を使用したほうが良い
- 厨房消火設備
・トマホークなどの厨房消火設備が作動した場合に空調停止を行わないといけない
- N2消火設備
・電気室、通信機械室の消火設備に用いられるN2ガス消火を行う前に空調停止
消火後消防官が現地確認で入出する前にN2ガスの排出のため排気ファンの起動
を行うための手動スイッチが必要(工事区分により電気工事となる場合有り)
空調設備
- ファンコイルユニット
・ファンコイル制御用のコントローラ電源をファンコイルユニット本体から供給
する自動制御盤の回路を省くことができる
また、ファンコイル本体の停電を検知できる
- 冷却塔
・薬注装置、水質制御(導電率)はメーカーと自動制御で区分がわかりづらい
→メーカーの仕様を確認しできるだけVEする
・減免用量水器の中央監視メーターリスト表示
→どの量水器と比較するか設計に確認しグラッフィックに表現
・冷却水ポンプとインターロックはいったん自動制御盤で受け
冷却水制御用や薬注装置用に分配できるように検討する
- パッケージの遠方監視
・パッケージや全熱交で集中リモコンで監視する場合
パッケージの仕様により室外機渡りばかりでなく室内機渡りとなる
機器があるので注意
- パッケージの室外機電源渡り
・室外機が2台以上となる場合の電源工事
抜けている場合が多いので早めに電気工事区分とアピールする
- コンセントによる工事区分
・天井内機器をコンセントにより工事区分を分ける現場
設備メーカーにより搬入前に設置してもらうよう依頼する
- 排煙手動開放装置の工事
・自動制御の設計図ではなく排煙ダクトの設計図に記載されているので
計装の追加工事とする場合が多い
→排煙手動開放装置を結線すると防災業者による排煙ダンパや排煙口の
確認試験に付き合わされるので設備業者から電気工事に依頼してもらう
電気工事業者に断られた場合、最低でも建込みと配線まで行い
設備業者から防災業者に手動開放装置の設置と結線を依頼してもらう
- 厨房用給排気ファンやエアハン
・厨房業者の作業で下ごしらえ時と調理時、後片付けで必要風量が違うため
室内から運転/停止や風量切替が行えるスイッチを室内に設置する場合がある
電気設備
- 動力負荷の発停回路
・中央監視から発停する機器の回路はCx,Txで取り合う
熱源1次ポンプ等の設備機器から連動する回路は有電圧接点回路でとりあう
冷却塔やエアハン内の還気用ファンは制御により判断が必要
Cx,TxはDC24Vの弱電、有電圧接点は200V配線は別となる
- 動力負荷の連動
・電気設計図の動力負荷表に別の動力盤から連動となっている場合
連動配線工事が電気設計図に描かれていない場合動力盤図で
連動用のリレー回路が組まれている
→中央発停に変更してもらう
- 電気盤が複数面ある場合
・面毎に配線を分けた方が良い場合と電気盤内で分岐
させる場合がある将来性を見込んだ配線の検討が必要
- VAV電源
・電気設計図で電源が書かれている場合電気工事にまかせる
自動制御盤から送電の場合電圧降下を考慮し配線検討をする必要
- LANケーブルの色分け
・弱電業者は多種の用途がありLANケーブルを使用する業者が多いため
色分けする現場がある自動制御用として一色決めてもらった方がよい
BACnet通信
- BACnet接続業者の確認
・設備設計から電気設計に確認してもらう
- 通信プロトコルの決定
・BACnet接続業者全社に下記それぞれ使用可能かアンケートをお願いする
IEIEJ-P-0003:2000 or IEIEJ-G-0003:2006
IPv4 or IPv6
自動制御盤
- 壁掛盤
・固定できる壁は躯体であれば問題ない
・軽量間仕切りしかない場合架台を設置検討
自動制御機器で設置に関係する内容
- 配管挿入センサー
・熱源機械室は系統数が多い為TAG.NOを設定し計装図に記載
本体にフダを取り付ける
・ヘッダーに設置する場合
→ヘッダー製作時にタッピングを設置してもらう必要がある
→ヘッダーの水平位置より上部で死に水とならない位置に要求する
→タッピング内のバリを想定しワンサイズUPで依頼し
レジューサーと共にねじ込み設置を依頼する
・設備業者に設置してもらうが前後に直管部が必要
→機器によって違うので仕様書を確認
- エアハン制御2方弁類
・エアハンによっては温度制御用2方弁の他、流量計と熱量計を並べて
設置する場合があり自動制御機器により制御部が大きいものもあるため
あまり近くに設置しないように設備施工図作成担当に連絡が必要
- 差圧発信機
・エアハンのフィルターの前後差圧の警報設定
→エアハンメーカーに一覧表で提出してもらう
続きは次回