計装屋のブログ

ビル関係の計装屋です。プラントは扱っていません。

ビルの計装のお仕事⑫

計装屋です

ビルの計装工事の体験談を書きます

 

変わった形状の建物でした

かなり前なのでウル覚えですが

入社して初めての現場でした

ある公共施設でした地下2階~地上5階建てで

集会所やホールを住民へ貸し出す建物でした

設計事務所はそれまでラブホをよく設計していた会社で

入札により落札したのだと思います

 

当時入社して1年目で最初の現場でした

施工図をドラフターで書いていた時代です

建築的には地下階の床スラブ工事が終了し

地下2階の壁(躯体)に温度センサー用の

建込工事を行わなくてはならない状況でした

協力会社は決まっていたのですが

工事は始まっていないので計装工事の作業員は常駐していません

協力会社へ電話しましたが別現場の作業があり

すぐに対応ができないとのことです

当時は携帯電話はまだ存在しない時代です

サブコンの事務所から固定電話で協力会社の担当者の上司に連絡し

その方から担当者の現場事務所へ連絡

休憩時間帯や昼休憩に職長さんへ話してもらい回答を私のいる現場事務所へ

連絡してもらうという連携で連絡を取っていました  「ふう」

躯体工事の建込は鉄筋工と型枠大工のそれぞれの作業の状態や人数により

進捗が読めません

今でもそうですが建築は工程表を作成できないのはそのためです

したがって、何時建込があるから作業員を現場に読んでくださいと

いえませんでした

建込の材料だけ現場へ持ってきてもらい

電気屋さんへ教えてもらいながら自分で建込をしました

 

 

平面的な寸法(ヨリ)は建築の墨から追っていけましたが

最初は高さがわかりませんでした

仕上仕上げの床からH=1,500mmの高さにBOXの芯を取り付けるために

今のスラブがどれだけ下がっているか

建築図から追う方法を設備サブコンさんに教えてもらい

施工図に書き込みました

型枠がBOX側が先に立つか鉄筋の後に来るか

で施工順序も違ってくることも理解できました

BOX側が最後に型枠が立った時の

スタットボルトで引き寄せて固定していないところがあり

型枠がバレタ後にBOXが見当たらないところがありました

たまたま壁厚が厚くハンマードリルを設備屋さんにお借りして

5㎝くらい斫って出てきたところもありました

また、建込作業を見落としていて

型枠が返された後にのこぎりで型枠に開口を開け

壁の上からPF管を落とし込みBOXとつなぎ

BOXを固定した後に型枠に開けた四角状のコンパネを張り付け

大工さんに怒鳴られました

そんなことをしながら手書きで施工図を書いていました

 

当時は作業員があつまらず、職長さん以外は日系ブラジル人ばかりでした

顔は日本人ですが日本語は片言しかしゃべれないため

職長さんも苦労していました

 

回路図を読めるようになるように

会社から推奨されている通信教育で「接点リレーシーケンス」を受講しました

これで動力盤図のシーケンスは読めるようになりました

自動制御盤図が宅急便で届けられ盤屋さんにチェックしてください言われ

盤図を見ましたがさっぱりわかりませんでした

回路的には自動制御機器とDDCのつながりのページばかり

何を見ればよいのか先輩に聞きました

そのころは毎日質問するため夕方になると自分の現場を出て

先輩がいる近くの事務所へ通っていました

事務所といってもマンションの一室で先輩や営業の人などがいて

その界隈で受注した10件くらいの工事をそこから管理していたようです

 

スラブ配管もやりました

用途は忘れましたが施工図を書いていて

他にルートが見つからなっかので

サンクンガーデンの床スラブに配管を伸ばしたこともあります

傾斜がついたスラブだったのを覚えています

コンクリート打ちの相番作業をやったこともありました

バイブレータのコードを回したりスラブ鉄筋の結束線を補強したりしました

 

冬に大雪が降りいつもの朝礼時間に間に合うよう現場に行きました

ほとんどの人が通勤できておらず私と協力会社の職長さんだけだったので

今日は帰りましょうとお昼ご飯をその職長さんと食べて帰った事があります

 

コンクリートの壁に大理石の石張り仕上げの壁があり

排煙手動開放装置(電気式)のスイッチカバーを競ってするのに

コンクリートに建込んだBOXと石張りの開口が微妙にずれていて

どうしても収まらないと作業員に言われ

石張りの開口を削って何とか設置できたこともありました

 

受電後の事、何の作業か覚えていませんが

分電盤から送電されているかを確かめるために

分電盤の扉を開けテスターで電圧を確認しようと思い

相の違う2本の銅バーをテスターのプローブで短絡させて

テスターのプローブが溶けたことがありました

怖くなって扉を閉めましたが誰にも報告してません

このプログで初めて告白します

今考えても大変危険な行為です  「あー恐ろしや」

 

調整部署の人が現場に来て、なんとか現場を竣工できました

その現場で覚えていることはそれくらいです

 

次回は別の現場を書きます