計装屋のブログ

ビル関係の計装屋です。プラントは扱っていません。

ビルの計装の御仕事㉗

計装屋です
ビルの計装工事の体験談を書きます

包装容器製造会社の本社新築工事です
省エネを考えていろんな取り組みを取り入れているビルです

制御に関係ないですが、
受電はスポットネットワーク方式でした

B2~19階のビルでした
1~9階まではテナント貸ししています
エアハンとVAVで空調してます
VAVは居室入口のスイッチで自分の席の近くを個別で
運転が可能です
エアハンが停止していれば連動して起動します
天井面に設置された人感センサにより照明の明るさが変わります
(電気設備工事範囲)
ある一定時間席に人がいない場合、人感センサで人を感知できない時間が
一定時間を超えるので人がいないと判断しVAVを最低風量まで絞ります
人感センサの情報はBACnet経由で空調の中央監視へ送られています
VAVのスイッチに設定温度も変更が可能ですが
設定値の幅は極端に狭めて納入しています
一般的に冷房設定は男性と女性では違いますが
クールビズは当時環境大臣小池百合子氏の時(2005年)から始まった
2011年に経済産業省は摂氏28度で快適に過ごす高機能繊維製品の紹介をしたので、ビルの室温冷房設定を28度にしようという考えもあった
しかし、環境省は摂氏28度は熱中症の厳重警告をうたっている
夏場の室温が28度では事務作業といえ効率が悪くなる統計もあるほどだ

空調機のタイムスケジュールは朝8時に起動10時に停止10時半に起動
12時に停止13時起動15時停止15時半起動17時停止という時間設定を
竣工時に設定しました。実際にこの設定を使用しているかはわかりません
稼働時間のエネルギー消費としては省エネ運転に見ますが、暑い日や寒い日は
室温を設定温度にするためVAVが全開になりエアハンのINV周波数も上昇する
ので熱源を含めたトータルのエネルギーコストは省エネになっていないと思います


ただ、『見えるかシステム』というのが有りBACnet経由で空調の運転時間などを
取り込み省エネとなっているかを数値化して部署ごとに順位争いをしているようです

ちなみに『見えるかシステム』は計装工事ではありません
VAVのシステムはインテリアとペリメータのエアハンは別のものとなってます
ペリメータ(窓近く)が寒い時は暖房インテリア(室内コアより)は暑い(暖かい)時は
冷房を供給できるシステムですがVAVは所詮エアハンの吹き出し風量を増やしたり
減らしたりするシステムなのでいくら暑くて設定温度を下げたところでエアハンの給気温度より低い温度は供給できません
一方会社の重役などの偉い方は広い執務室の角に間仕切りを設置し重役室とすることが多いです
空調で言えばペリメータの範囲です
しかし、角部屋で間仕切りを設置すると室温が高くなる傾向があるため冷房が欲しいところです
1台のペリメータのエアハンの空調範囲がすべてお偉いさんの室内に給気しているのであれば問題ないのですが、
お偉いさんの部屋を給気しているペリメータが間仕切りの外の部屋も給気していると
外の部屋は肌寒く暖房が欲しい時もあります。
ペリメータのエアハンは暖房するか冷房するかという問題となります
そこでこの建物の数か所にデュアルVAVシステムを導入してあります
ペリメータのエアハンが暖房モードであったとしても室温の設定が低ければ
冷房運転中のインテリアエアハンから給気できるように
ペリメータのダクトとインテリアのダクトが一つの給気口に接続されています
その系統で給気できるのは冷房要求であればインテリアVAVを制御し、
ペリメータのVAVは全閉とします。
逆に暖房要求の時はペリメータVAVで制御して、インテリアVAVは全閉とします
この判断はDDCだけでは不可能だったため中央監視の特殊プログラムを制作して
構築しました

この現場はいろいろ名制御があるため

続きは次回に書きます